会社設立登記
株式会社・LLC(合同会社)・LLP(有限責任事業組合)、設立するならどれ?

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現在、株式会社、LLC(合同会社)、LLP(有限責任事業組合)など、法人に関わる登記業務は行っておりません。 その関係上、法人に関するお問い合わせはお受けしておりませんので何卒ご了承ください。

会社の形態には様々なものがありますが、新規での会社設立というと、

  • 株式会社
  • LLC(合同会社)
  • LLP(有限責任事業組合)

の3つが代表的なものでしょう。
以下、それぞれ比較しながら、どの形態をとればいいかの判断材料をご提供したいと思います。

 

株式会社とLLC(合同会社)の違いについて

新規で会社設立を考えている方は、圧倒的に「株式会社」で考えている方が多いものの、よくよく調べてみるとLLCという会社形態もあり、LLCの方が設立コストが安くすむしLLCにしようかな?と悩んでいる方もいらっしゃいます。

株式会社もLLC(合同会社)も、

  • 法人格がある(会社名で銀行口座を開設したり、取引したりすることができる)
  • 出資者が有限責任(出資した以上に責任を追うことはない)
  • 法人税の課税対象となる

という点ではどちらも同じです。
主な違いとすれば、

 

  • (1)LLCは株式会社と違い、株主総会や取締役会などの機関が不要
    →LLCの意思決定は、日常的な業務執行に関しては業務執行社員が、定款変更や解散など、重要な事項に関しては原則社員全員の同意で行います。
  • (2)定款自治がLLCには広く認められているため、例えば出資比率に関係なく、自由に利益分配
      (配当)を実施することも可能
  • (3)設立コストが株式会社に比べて安い
    →公証人役場での定款認証が不要、また登録免許税が株式会社15万円に対し、LLCは6万円。司法書士報酬を含めても、株式会社の半額以下で設立可能。

 

こういったところでしょうか。ただ、

(1)については、現在、株式会社でも取締役一人だけのシンプルな機関設計が可能
(2)については、規模の小さい会社は配当など実施しない(配当は損金に参入されない)ので、あまりメリットにならない。

ということもあり、実際のところ、LLCを選択する方の理由の殆どは(3)でしょう。

  • とにかく法人格が欲しい
  • 設立コストを安く抑えたい
  • LLC(合同会社)の認知度の低さは特にネックにならない

といった方あれば、LLCをお勧めします。

POINT

ただ、後々株式会社への組織変更も考えているという方は要注意です。

LLC(合同会社)は、会社法上、株式会社への組織変更も可能なので、とりあえずLLCを作っておいて、後々会社の規模が大きくなってきたら、株式会社へ組織変更する、と考えている方も多く見受けられます。

しかしながら、LLCから株式会社に組織変更する際は、いったんLLCを解散させた上(解散の登記が必要)、組織変更計画書や総社員の同意書、株式会社の定款などを作成し、さらには

  • 債権者保護手続(官報へ、組織変更する旨プラス異議ある債権者は申し出て欲しい旨の公告を掲載)
  • 知れたる債権者には各別の催告

などが必要になってくるので、意外に手間と費用がかかります。

結局、後々株式会社へ組織変更する可能性があるのであれば、最初から株式会社を設立した方が、手間も費用もかからずお勧めです。

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LLP(有限責任事業組合)について

LLP(有限責任事業組合)での設立を考えている方もいらっしゃるでしょう。
LLP(有限責任事業組合)は

  • 株式会社やLLC(合同会社)と同じく出資者は有限責任
  • LLC(合同会社)と同じく定款自治、内部自治が広く認められている

という共通点はあるもの、

 

  • 法人ではない
    →LLPは「組合」ですので、法人格はありません。当然、LLP名義のみでは銀行口座開設も取引もできません。
  • 法人ではないので、後々株式会社やLLC(合同会社)に組織変更する、といったことはできない。
  • 株式会社やLLC(合同会社)と違って、1人では設立できない。
    →最低2人以上必要
  • 共同事業性が求められる。→株式会社やLLCは出資者全てが業務執行に携わる必要はありませんが、LLCは出資者(組合員)は全て何らかの形で業務執行に携わる必要があります。

といった大きな違いがあります。

さらにLLPの一番の目玉、「構成員課税(パススルー課税・組織に対して法人税が課税されるのではなく、出資者に直接課税されること)」ですが、デメリットとして、「設立後の会計・税務が複雑で、税理士さんなど専門家の支援が不可欠」という点もあげられます。